フジテレビの第三者委員会が、元SMAPでタレントの中居正広氏に対し「性暴力があった」とする調査報告書を公表した問題で、新たな展開が報じられた。中居氏側が求めた再度の証拠開示と釈明に対し、第三者委は「今後のやり取りは差し控える」との姿勢を示したのだ。沈黙の応酬に、業界や世間は再び緊張感を募らせている。
報道内容・出来事の経緯
事の発端は、2025年3月31日に公表されたフジテレビの第三者委員会による調査報告書だった。報告書には中居氏による「性暴力」が認定されたと明記され、同日に記者会見も開かれた。これに対し中居氏側は強く反発。「だまし討ちに等しい」と批判し、再度の証拠開示と釈明を求めていた。
5月30日には中居氏側の代理人弁護士が文書を公表。「性暴力」という表現の用法や、調査方針の転換、また示談書に含まれる守秘義務に反する情報の掲載があったと指摘し、第三者委に6月6日までの回答を求めた。
そして6月3日、第三者委が報道各社に送付したファクスで回答。「被害者への二次被害の懸念」を理由に、今後はやりとりを控えるとした。
関係者・本人の証言や行動
「性暴力という言葉を使用したことについて、改めて釈明してほしい。調査対象外としていた密室でのやりとりを、あとから方針転換して含めるのは納得できない」(中居氏側の文書より)
中居氏側の立場と主張
中居氏側は、守秘義務に関する誤認を第三者委がしていると主張。「女性が中居氏の部屋へ行くまでのショートメッセージのやりとり」など、詳細な個別情報を無断で報告書に記載したことに対し、強く異議を唱えた。
また代理人は「中居氏が“驚愕した”」という本人の反応も文書内で紹介し、報告書の公表が精神的な打撃となったことも示唆している。
今後の影響・周囲の動き
第三者委員会は今回の回答文で「当委員会とのやりとりが被害者への二次被害につながる」と明記。「取材対応は控える」と明言し、事実上のやり取り打ち切りを宣言した。
この対応により、中居氏側が今後さらに法的措置を検討する可能性も否定できない。所属事務所やフジテレビの動向も注視されており、CM契約やレギュラー番組への影響も取り沙汰されている。
一方で、フジテレビ側がこの件をどう処理するのか、視聴者からの説明責任を問う声も高まっている。放送倫理・番組向上機構(BPO)による調査の動きがあるかどうかも、今後の焦点となる。
SNS・読者の反応
- 「第三者委の一方的なシャットアウトは印象悪すぎる。隠したいことでもあるのかと疑ってしまう」
- 「中居くんがそんなことするわけない、って思いたい。でも委員会の対応も不透明すぎて怖い」
- 「どっちの言い分もよくわからんけど、被害者女性の存在が置き去りになってないか?」
- 「これ、ちゃんとメディアも中立な立場で検証し直すべきじゃない?」
- 「最初から密室の件は対象外って言ってたなら、後出しで載せるのはやっぱおかしいよね」
報道の余波と、いま問われるもの
報道と反論が平行線をたどる中、もっとも守られるべきは誰なのか。中居氏の反論にも、第三者委の対応にも、読み手それぞれの立場から見える景色があるだろう。
ただひとつ確かなのは、この問題が“終わった話”ではないということ。沈黙の裏側に何があるのか、私たちはまだ何も知らないのかもしれない。
文・望月結衣
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