元タレント・中居正広氏の代理人弁護士が、フジテレビとその親会社が設置した第三者委員会の報告書に対して、公式に異議を申し立てた。問題とされたのは、報告書で使用された「性暴力」という表現。中居氏側はこの認定に「極めて大きな問題がある」と主張し、改めて事実関係の確認と説明責任を求めている。
第三者委の認定に反論、弁護士5名が連名で文書を提出
代理人として新たに就任した長沢美智子弁護士ら5名の弁護団は、5月12日、第三者委の竹内朗委員長らに対し、書面で反論を行った。この書面は、3月31日に公表された報告書内に記載された「性暴力」認定に異議を唱えるものであり、その根拠となった世界保健機関(WHO)の定義の適用に問題があると指摘している。
報告書では、2023年6月にフジ元アナウンサーの女性が、中居氏から「業務の延長線上で性暴力を受けた」と訴えた事案に対し、WHOの広義な定義を用いて「性暴力」と認定。しかし、中居氏側は「日本語の一般的な解釈と著しく乖離している」として、認定の見直しと証拠の開示を求めた。
中居氏が応じた6時間のヒアリング、その内容は…
「密室での出来事」は調査対象外との説明
中居氏は、調査に対して真摯に応じていたとされ、約6時間に及ぶヒアリングに臨んだという。しかし代理人によれば、その内容が報告書にほとんど反映されていなかったことに強く疑問を抱いたとされる。
「『性暴力』という日本語から一般的に想起される暴力的または強制的な性的行為の実態は確認されなかった」
また、調査の初期段階で中居氏側から守秘義務の解除を申し出たものの、委員会側は「密室でのやりとりは調査対象ではない」との見解を示したという。このような調査のスタンスに対し、代理人は「中立性・公正性に疑問が残る」と訴える。
第三者委の役割と中立性の限界
フジテレビが設置した第三者委員会は、社外の有識者を交えて構成されており、形式上は独立性が担保されている。しかしながら、報道対象となる個人からの信頼や協力が得られないまま調査が進んだ場合、その中立性・実効性には限界があるとする声もある。
特に「性暴力」のように重い言葉が使われる場合、調査プロセスの透明性と公平性は厳しく問われる。仮に報告書にバイアスが含まれていた場合、それが一個人の社会的生命を奪う危険すらある。
WHO定義の“拡大解釈”は社会に何をもたらすのか
今回の問題で注目されたのは、「性暴力」という言葉の定義の使われ方だ。WHOの定義では「同意が明示されない性的接触も広義の性暴力に含まれる」とされており、日本国内の法解釈や一般的感覚とは乖離する部分もある。
中居氏側は、このような国際基準をそのまま用いたことで、「説明も不十分なまま“レッテル”が貼られた」としており、メディア倫理や法的バランスの在り方にも一石を投じている。
X(旧Twitter)での反応
- 「WHOの定義ってそんなに広いんか…ちょっと怖いな」
- 「6時間もヒアリングしたのに反映されないって、誠意ある対応なのか疑問」
- 「名誉毀損になるような認定なら慎重になるべきでは」
- 「すでに引退してる人をここまで追う意味あるのか?」
- 「真実がどうであれ、手続きの正当性はちゃんとしてほしい」
報道と正義のあいだで
一連の報道は、芸能人のスキャンダル報道にとどまらず、メディアが個人をどう扱うかという根本的な問いを突きつけている。性暴力というセンシティブな言葉が使われたことで、世論や報道側にも大きな影響が及んだのは間違いない。
「報道の自由」と「名誉権」、そして「社会的信頼」の間で、今後どうバランスを取っていくのか。答えは簡単ではないが、メディアの責任と調査の精度が、個人の人生に与える影響の大きさを忘れてはならない。
ライター:望月結衣


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